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wbe2009
e-Learningについての研究報告をする国際会議はいくつかありますが、その中でもIASTEDが主催しているものに“Web-based Education”があります。2006年に同会議がメキシコで開催された時には私も参加し、初めての国際会議発表をしたので、私にとって親しみのある会議です。

この“Web-based Education”の次回会議は、2009年3月16-18日にプーケットで開催される予定であり、同会議出席のため昨年末に投稿していた論文が受理されたとの連絡がありました。今後、最終論文の投稿、学内での審議をクリアし、同会議に出席したいと思っています。

“Development of Learning Management SNS”と言うタイトルで投稿した論文には、これまでに開発・試験運用してきた、学習支援機能を持つSNS“Social Learning Life”のことを報告しています。内容的には、これまでに国内で発表してきた内容を整理し、いくつかの最新機能を報告しています。また、3人の論文査読者からの意見は、今後、研究開発を続ける上で大変参考になりました。

なお、開催国であるタイにはこれまでに2度訪問したことがありますが、プーケットに行くのは初めてなので、これも楽しみにしています。

気になるのは発表スケジュールとタイの政情です。会議最終日である3月18日は、所属先大学の卒業式にあたるため、現在、会議事務局にスケジュール確認をしています。また、昨年末よりタイの政情不安を伝えるニュースが続いていますが、今後、安定化に向かって欲しいと思っています。

1つ前の記事として投稿した、今年度の教育システム情報学会(JSiSE)全国大会での自分の発表を、発表で用いたスライドを元に振り返ってみたいと思います。以下の文章には、時間の関係で発表できなかった説明などを加えています。


slide01

今回の発表では、私が一から開発したソーシャルネットワーキングサイト(SNS)について報告しました。このSNSのポイントは教学のプラットフォームとして用いられることを念頭にデザインした点が挙げられます。ちなみにインターフェイス作成はFlash 8 Professional、サーバーサイドスクリプトはColdfusionMX7、データーベースはMySQLを用いています。現在はレンタルサーバー(heteml)を用いてシステムを試験運用していますが、近日中に研究室内にサーバー環境を構築する予定です。


slide02

まず、背景として「eラーニング普及の影で気になること」について述べました。1つ目の気になる点は、eラーニング教材の作成には、作成ツールの使用方法の習得、インストラクショナルデザインについての理解などで多大なコストがかかることです。最近ではmoodleを代表とするオープンソースのLMS(Learning Management System)もあるため、システム面でのeラーニング利用の障壁は低くなっていますが、コンテンツ面では学習効率の高いものを作ろうとすると、どうしてもコストがかかります。

気になる点の2つ目は、せっかく労力をかけて作成した学習コンテンツも、開発した大学/企業内での限定した利用に留まっていることが多い点です。日本でもオープンコースウェアの試みが始まり、特に東京工業大学のサイトなど興味深い事例もありますが、公開されたコンテンツを用いた、共に学ぶための場の創出までは行っていない場合がほとんどでしょう。


slide03

まだ、ソーシャルネットワーキングサイトと言う言葉は、広く一般の方に普及していないかと思いましたので、簡単な説明スライドを1枚用意しました。ただ、ソーシャルネットワーキングサイトと言う言葉を知らない方でも、mixiのようなサービスです、と言うと分かってもらえることがほとんどですね。


slide04

前述した背景を踏まえて、研究の目的を3つ挙げました。この3つの目的について、これ以降のスライドで具体的な対策を説明します。


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まず、研究の1つ目の目的である「効果的なeラーニング教材を効率的に作成」については、昨年度のJSiSE全国大会で報告した内容でもあるので、要点のみを説明しました。ちなみに、このeラーニング教材作成部については、この1年の間に、教材で用いるXHTML/CSSを大幅に見直し、教材を閲覧できるブラウザを増やしたりしています。

余談となりますが、オープンコースウェアの取り組みが、大学のブランディング戦略の一環として、トップダウン的に教材を公開しているのに対して、私の研究では一人ひとりの教材作成者をターゲットに、ボトムアップ的に教材公開/共有してもらうことを狙っています。このためにもこのコンテンツ作成部は、教材作成者がシステムを利用する上でのインセンティブになるように、今後とも開発に力を入れていくつもりです。


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次に2つ目の研究目的「教学を通した人的ネットワークの構築」についてですが、ここでは開発したSNS,”Social Learning Life”のログイン直後のサンプル画面を用いて説明しました。トップ画面は、左から”Mate”, “Note”, “Content”, “Reference”の4つの列から構成しています。画面左端の”Mate”列には、SNS内の知人をアイコンとして表示しています。システム内の知人を明示すること自体は、SNSの基本的機能ですが、教学を通して構築した人的ネットワークを明示しようと言う点が、本研究の特徴となっています。この「教学を通して」と言う点については、次のスライド以降で説明します。

ちなみに”Note”, “Content”の列は、学習ノートと教科書を置く本棚だと思って下さい。1つ目の研究目的で触れた、教材作成支援機能を用いて作成した教材は、この”Content”列のそれぞれのアイコンをクリックすることにより表示されます。”Reference”列は、まだ作成中ですが、システム外部のwebページをブックマークする機能を持たせる予定です。

この4つの列より構成されるユーザーインターフェイスは、拡張性の低さが気になってはいるのですが、学習する際の、知人、ノート、教材、資料が一目で分かる点が気に入っています。少なくとも今しばらくは、このデザインを用いていきます。


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更に研究の3つ目の目的「学習資源の共有」についてですが、ここで言う学習資源には、「学習環境」、「教材」、「ノート」の3種があります。これらについて、順に説明をします。


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「学習環境の共有」とは、システムのユーザートップ画面の共有を指します。このスライドでは、ユーザー「yoshi」がログインして、その知人の「hana」さんのトップ画面を表示した例を示しています。他ユーザーのトップ画面を見ることにより、そのユーザーの知人ネットワークだけではなく、現在用いているノートや教科書を知ることができます。また、”Content”欄に示した教材アイコンは、ユーザーの最終アクセス日時の降順で配置しているので、そのユーザーが最近どの教材を用いて学習を進めているのかを知ることができます。


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次に学習教材の共有ですが、システム内で作成した教材は、必ず教材閲覧の範囲を指定してもらいます。この閲覧権は、教材作成中を除き、著者のシステム内の友人まで、著者の友人の友人まで、システム内の全員まで、のいずれかの範囲でその教材が閲覧できることを設定するものです。ちなみにここで設定するのは、システムが機構的に許す閲覧に関する範囲です。wikiのように他者が教材を編集したり、閲覧した教材を複製して、他環境(LMS)で利用することなどは認めていません(教材は著者のall rights reserved)。これら教材編集や他環境での利用については、今後システムとしてサポートできたらと考えています。


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ここでは教材の共有方法を、サンプル画面により説明しています。ログインユーザー「yoshi」の知人である「hana」さんが作成したある教材では、閲覧権を「知人の知人まで」に設定しているので、「hana」さんの知人である「yoshi」は、この教材を見ることができます。この教材は、著者である「hana」さんのトップ画面でも閲覧することができますが、これを用いて勉強を進めるには、自分のトップ画面から閲覧できるようにしたほうが便利です。この自分のトップ画面から、他者が作成した教材にリンクを張るには、教材アイコンに対して右クリック操作をします。


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「hana」さんが作成した教材に対して右クリック操作をした結果、ログインユーザー「yoshi」のトップ画面”Content”欄に、同教材のアイコンが表示されました。このアイコンをクリックすると、その教材を閲覧することができます。


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次にノートの共有についてです。ノートには教材作成時や、何かを学習している際などの記録として用いることができます。このノート機能の特徴は、何についての記録なのか、その対象を明示できるようにしてある点です。この記載対象は、システム、特定のユーザー、ノート、教材を指定することができます。また、対象がシステム内のオブジェクト(システム、ユーザー、ノート、教材)以外の場合は、対象を指定しないで記載します。この記載対象を指定する部分は、対象物に対してトラックバックを打つイメージです。


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記載したノートは、システムの全ユーザーが互いに閲覧できます。ノートを見るには教材を共有した際と同様に、ノートアイコンを自分のトップ画面にリンクしておくと便利です。このノートアイコンは、ノートのチャンネルを表しています。つまり、特定のユーザーが記載したノートを常時見るには、そのユーザーのトップ画面から、同ノートチャンネルのアイコンをリンクしてくればOKです。このノートチャンネルは、RSSフィードをイメージして作成しました。

また、特定の教材に対して、不特定のユーザーが記載したノートを見るには、その教材についてのノートチャンネルのアイコンをリンクします。ノート記載時に対象を明示することにより、このような特定の教材に関するノートを配信することができるようになっています。この仕組みにより、同じ教材を用いて学習しているユーザーを知ることができるだけではなく、そのユーザーの学習時の疑問点などを共有することができます。


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ノートアイコンをクリックして、その記事を表示している状態です。このノートブラウザは、RSSリーダーのようなものです(現在は、ノート配信にRSSは使わずデータベースから直接読み出しています)。将来的にはシステム外のRSSフィードも、このノートブラウザで読めるようにしたいと思っています。


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このノートブラウザでは、特定のノートチャンネルの読者を知ることもできます。表示されたMateアイコンにマウス操作をすることにより、その人ユーザーのプロフィール情報やトップ画面を表示することができます。


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Mateアイコンをクリックして、そのユーザーのプロフィール情報を表示した状態です。


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これまでに述べてきた3種の学習資源を共有することなどにより、教学を通して人的ネットワークを構築することをサポートします。ちなみに、このシステムは現在試験運用中です。

JSiSE発表後は、発表前に急いで作成したspaghetti codeの改良に明け暮れています。今後一ヶ月程度の調整を終えた後、まずは身近な先生方に利用してもらい、その後一般公開をする予定です。

また、今後もシステム開発状況などを、このblogで公開してきますので、色々とご意見を聞かせてもらえたらと思います。

8月23~25日にかけて、大阪経済大学にて開催された教育システム情報学会第31回全国大会で発表およびポスターセッションを行ってきました。今回の発表/ポスターのタイトルは、「学習目的のソーシャルネットワーキングの開発」であり、ソーシャルネットワーキング内の人のつながりを用いて、eラーニング教材などの学習資源を共有するアイデアと実装を説明しました。

今回はポスターセッションにも参加しましたが、このセッションは他の口頭発表セッションと同時開催であり、あまり多くの訪問者はいませんでした。ただ、12分と言う短い口頭発表とは異なり、時間の制限なく訪問者と話ができたのは有意義であり、別の機会があればまた参加したいと思っています。

以下に発表スライドをPDF形式で公開します。いつものことながら、口頭説明を前提にして作成したスライドなので、これだけでは内容が伝わりにくいかと思っています。数日のリフレッシュ期間をおいてから、この研究について現在私が考えていることを整理してblogに記載したいと思っていますので、その説明と併せてスライドを見て頂くと、内容が伝わりやすいかと思います。


060825JSiSE

さて、ここ数年、8月末に開催される教育システム情報学会全国大会に毎回参加しているため、私の中ではこの大会が終わると夏が終わった気分になります。今年の夏は自分の研究に集中でき、なかなか楽しかったです。

現在開発している学習目的のSNS”Social Learning Life”について、久し振りにloggingします。この6月に研究会「e-learning環境のデザイン」で発表した以降は、画面デザインの見直しや学習時のノート機能の改良などに手を入れています。

画面デザインに関しては、これまでシステム内で用いるアイコンを全て自分で描画していましたが、famfamfam.comで公開されているアイコンセット“silk”を大幅に取り入れました。このアイコンセットには、現在(ver1.3)1000個の16×16ピクセルのpng形式のアイコンが含まれ、それらを無料で使用することができます。

この”silk”は非常に便利なのですが、大きさが16×16ピクセルしかないため、Flashに読み込み後、必要に応じて拡大して使っていました。しかし、拡大をすると画質が劣化するので困っていましたが、以下の方法でスムージングをかけると、画質劣化が目立たなくなりました。

スムージングは、Flashのライブラリから読み込んだ画像を右クリックし、「プロパティ」を選択します。その後、「スムージング」にチェックを入れるだけです。

スムージング

以下で、silkのアイコンセットから読み込んだ画像に拡大/回転を施した際に、スムージングの有無による結果を比較しました。

スムージングの効果

SLLロゴ(小)開発中のSNN,”Social Learning Life”では,学習教材を特定のサイトメンバーだけが閲覧できるようにしているので,権利のない人からの教材へのアクセスには気を使っています.

ここで教材を閲覧する権利がない人とは,1)非サイトメンバー,2)サイトメンバーだが特定の教材への閲覧権がない人,の2種が考えられます.もちろん1)には検索ロボットも含まれます.

コンテンツの文章(HTML)部へのアクセスを制御するのは容易なのですが,問題は画像・音声・映像等への直リンク対策です.この直リンク対策には大きくは2つあるようです.1つ目は,”.htaccess”を用いたリファラの選別と,もう一つは素材ファイルをwwwroot以外に置く方法です.

気になったので,mixiの場合を調べてみたのですが,画像素材への直リンクができるのですね.驚きました.このことは,既に一部で話題にもなっているようです.

これ以外でも,いくつか参考になった記事をリストアップしておきます.

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